次の日曜日には京都競馬場を舞台に、牝馬の頂上決戦、エリザベス女王杯が行われます。
秋華賞が終わった後のレースで、3歳牝馬vs古馬牝馬という図式になりますが、
古馬はミッキークイーンやヴィブロスなどのGI馬を筆頭に多彩なメンバーで、
3歳牝馬は秋華賞の1~3着馬が出走を予定しています。
好メンバーが揃い楽しみな一戦で、直前に回避する馬が出てくるかもしれませんが、
ここではエリザベス女王杯のコースレイアウトを見ていきながら、現時点での出走予定馬の中から有力馬をご紹介します。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
2017エリザベス女王杯!使用コースは?コースレイアウトは?
エリザベス女王杯が行われる週は、京都競馬場の芝コースはBコースが使用され、
Bコース使用は先週からになりますので、2週続けてのBコース使用になります。
またエリザベス女王杯が行われる京都外回り2200mは、
スタートしてから最初の1コーナーまでは約400mと長いコースレイアウトになっていて、
レースの流れは速くなりにくいと言えます。
スタートしてから最初のコーナーまでの距離は、レースの流れに関係してくる面があり、
この距離が短い場合には、コーナーでのコースロスを避けようと先行馬のポジション争いが起こりやすく、そのためにハイペースになりやすいですが、
京都2200m外回りは、この距離が長いために流れが速くなりにくいコースレイアウトと言えます。
ただこの点もそのレースの出走頭数や逃げ・先行馬のメンバー構成、またジョッキーの判断も関係してくることになります。
2017エリザベス女王杯の出走予定馬 古馬vs3歳馬
秋華賞馬 ディアドラの挑戦
このエリザベス女王杯には3歳馬が挑戦してきますが、その筆頭格は秋華賞馬のディアドラになります。
春にも桜花賞6着、オークス4着とまずまずの好成績を上げていて、
また春には桜花賞とオークスの間に矢車賞をはさむという厳しいローテーションでのオークス4着には、
普通の牝馬とは違う何かがあるように思います。
個人的には牝馬、特に若い3歳の牝馬の場合は精神的にカリカリした馬も多く、そのため厳しい調教を行うことも難しいイメージがあり、
またその反面、仕上がりやすい面があると言われています。
ですので普通は桜花賞→矢車賞→オークスというのは3歳牝馬にはかなり厳しいローテーションのはずですが、
それでオークスでも4着と結果を残していることに、この馬の素質が現れていたのかもしれません。
もしもスラムダンクの陵南の福田吉兆なら、
「ただならぬ素質・・・」
と言ったかもしれません。
そして秋華賞では雨が降った重馬場の中をきっちりと差し切り勝利して、最後の一冠を手にすることになります。
ただ少し気になるのは、夏の8月から走り始めて秋華賞が3戦目というローテーションで、
この秋華賞を狙いにピークに仕上げていた印象もありますし、エリザベス女王杯が4戦目でピークの状態に比べると状態は落ちるのでは?という点は気になるところです。
ただ先ほど書いたように春にも厳しいローテーションでもまずまずの結果を残してきましたので、この馬のタフさならこのエリザベス女王杯もこなしてしまうかもしれません。
桜花賞2着、秋華賞2着のリスグラシュー 初の戴冠なるか?
また3歳牝馬では秋華賞2着のリスグラシューも参戦を予定しています。
オークスでは5着でしたが、その他のGIでは阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、そして秋華賞と、
GIでの2着が3回と悔しい結果が続いています。
出遅れる場合もありましたし、レース後の武豊ジョッキーのコメントではエンジンのかかりの遅い部分があるようで、
力はあっても器用さに欠ける部分が、勝ち馬とのほんの少しの差として現れてしまっている印象があります。
力は充分ですので「もう少し!」と応援したくなる気持ちにもなる馬で、
エンジンのかかりが遅い面があるなら、前走より距離が200m延びることはこの馬にとってはプラスだと思います。
またディアドラはエリザベス女王杯で4戦目になりますが、この馬はここで3戦目というローテーションはまだ余力があると言えるのかもしれません。
オークス2着、秋華賞3着のモズカッチャンの挑戦
またこの他の3歳牝馬はモズカッチャンも出走を予定していて、秋華賞の1~3着馬が顔を揃えています。
モズカッチャンはオークス2着、秋華賞で3着とGIでも好成績をあげていますが、
個人的にはオークスは内の1番枠が良かった、という印象があり、
また秋華賞でも4番と内目の枠が好結果につながった印象はあります。
ですので外枠を引いた場合にどうか?という点にはまだ個人的には疑問もあり、
ただ内で上手く競馬ができることは証明していますので、枠順によって評価を変えたいと個人的には考えています。
2冠馬ミッキークイーン 久々のGI制覇なるか?
その3歳牝馬に立ちはだかる古馬の代表に、2年前の2冠馬ミッキークイーンがいます。
牝馬2冠を達成してからはGIに縁がありませんが、ここで久々のGI制覇なるか?注目されます。
今年のヴィクトリアマイルでは不可解な負け方でしたが、
昨年のヴィクトリアマイル後に左前のじん帯を痛めてから、しばらく左回りを使われていなかったことも影響したように思います。
また今年も同じ個所を痛めたようで、前哨戦を叩いて本番というローテーションに狂いが生じた点は気になるところで、
力は充分だとは思いますが本調子に戻っているか?
その点は疑問が残る点になります。
ドバイターフ覇者ヴィブロス
また古馬牝馬のGI馬としてはドバイターフを制したヴィブロスもいます。
日本のGIでは秋華賞を制していますので、ミッキークイーン、ヴィブロス、ディアドラと3世代の秋華賞馬が顔を揃えることになりそうです。
今年はそのドバイターフを制してからは春は出走せず、前走の府中牝馬Sで始動して2着と好走。
昨年秋にも秋華賞を勝利した後は出走せず、無理使いをしていない点は好感が持てる印象はあります。
その前走では1番枠から内ラチ沿いを走っていて、直線では進路を探しながらでのレースではあり、
休み明けとしては上々の内容で、ミッキークイーンが前哨戦を使えなかったことに比べると、前哨戦を一叩きできた面では状態面で有利と言えるかもしれません。
また牡馬を相手にした海外GIを制しているだけに、3歳牝馬に立ちはだかるのはこの馬なのかもしれません。
オールカマー勝利からの参戦 ルージュバック
また前走でオールカマーを勝利したルージュバックもこの舞台に出走予定で、
3歳時にはきさらぎ賞を制して、一躍注目を集めましたが、
牝馬3冠でもGI獲得はならず、いまだにGIは未勝利でいます。
ただ前走のオールカマーでは牡馬相手に勝利を挙げました。
他の馬に迷惑をかけた点はいただけませんでしたし、前走は中山競馬場がCコース使用に変わった週で、6番枠から内を通れた利があったと思いますが、
この馬が内から差してきたのには驚いた一戦で、
個人的にはこの馬が走る時は、外目を気分よく追走できる時、という認識がありました。
競走馬の中には馬群で揉まれる競馬になると力を発揮できないタイプの馬もいると思いますし、
個人的な印象になりますが、どちらかと言えばそうした繊細な馬は牝馬に多い気はします。
ルージュバックもそうした馬なのかと思っていましたが、その馬が前走では内から差してきた。
内での競馬を繰り返すことなどで、馬が慣れてくることもあるのかもしれませんが、
やっぱり馬も精神的な面でも成長するのかな?と思いましたし、決めつけることの怖さも感じた一戦で、
またこういう競馬ができるなら、競馬の幅も広がると思いますし、
ここでひと華を咲かせることができるのか?
才女と言われた彼女の走りにも注目したいと思います。
京都大賞典を勝利してからの参戦 スマートレイアー
また前走で牡馬相手の重賞を制した点はスマートレイアーも同様で、
この馬も前走では4番枠から内を通れた利はあったと思います。
また牡馬相手の重賞でも好勝負できる馬ですし、逃げて勝ったこともある馬で自在性のある馬ですが、
GIとなるとどこかワンパンチ不足な印象はあります。
ただ前走は後方から溜めに溜めて切れ味を発揮していますので、
本番のここも溜める競馬で一発を狙ったレースをするのかもしれません。
府中牝馬Sで重賞初勝利のクロコスミア
またクロコスミアは府中牝馬Sで重賞初勝利を飾っています。
ただ前走の府中牝馬Sではクロコスミアは逃げて勝利を収めていますが、
やや重の馬場とはいえ、1000m通過は61秒9とスローな流れでの勝利で、
このレース2着のヴィブロスは、進路を探す場面もありました。
レースの流れや展開もこの馬には味方した印象はあり、力関係としては若干劣る印象は受けます。
終わりに
3歳牝馬のソウルスターリングはジャパンCに進みますが、
秋華賞の上位3頭が揃って出走を予定していますし、古馬牝馬も強力なメンバーが揃っていて非常に興味深い一戦になります。
この一週間も本命馬選びに悩む一週間になりそうです。
(追記)
最終予想はこちらになります。↓