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1999年有馬記念 グラスvsスペシャル~4cm差の激闘
迎えた暮れの有馬記念。
グラスワンダーが単勝2.8倍の1番人気の期待を集め、スペシャルウィークは単勝3.0倍の2番人気の期待を背負うことになります。
レースではグラスワンダーの的場ジョッキーは後方よりのポジションでレースを進め、スペシャルウィークの武豊ジョッキーは最後方からレースを進めていきます。
宝塚記念ではスペシャルが前、グラスが後ろからの競馬で、スペシャルウィークは早めの競馬をして敗北を喫していましたので、
ここは「相手はグラスワンダー ただ一頭」と狙いを定めて、後ろからの競馬を選択したのかもしれません。
レースはスローな流れを刻み、レースは淡々と進んでいきますが、
スローな流れを見越してか3~4コーナーでグラスワンダーの的場ジョッキーは前を捕らえにいく競馬をします。
その背後に忍び寄るスペシャルウィーク。
そして勝負は最後の直線に。
ツルマルツヨシが中団からの競馬で粘り込みを図る中、外からグラスワンダーが差し脚を繰り出し、スペシャルウィークがさらに外から追い込んでくると、2頭は馬体を併せてゴール板を駆け抜けていきます。
見ている限りでは、外から追い込んできたスペシャルウィークが体勢有利にも思えましたが、
ゴール板ではクビの上げ下げで、4cmだけグラスワンダーが前に出ていたことが写真判定で示されることになります。
1999年有馬記念の結果
着順 | 馬名 | ジョッキー | 枠 | 馬番 | 人気 | 着差 |
1 | グラスワンダー | 的場均 | 4 | 7 | 1 | |
2 | スペシャルウィーク | 武豊 | 2 | 3 | 2 | ハナ |
3 | テイエムオペラオー | 和田竜二 | 6 | 11 | 5 | クビ |
勝ち時計 2分37秒2
ラップタイム 7.1 – 12.6 – 13.1 – 12.5 – 13.2 – 13.4 – 12.9 – 12.7 – 12.1 – 12.3 – 12.4 – 11.0 – 11.9
単勝 ⑦ 280円
馬連 ③-⑦ 470円
レースのラップタイムを見ると12秒台の後半から13秒台のラップも多く、かなりスローな流れになったことが分かりますが、
その中で後方からの競馬をした2頭が1、2着という結果になっています。
また先ほども書きましたが、レースを見る限りでは2頭の追い比べで体勢が変わったかに思えましたが、
ゴールした瞬間では4cmだけグラスが前に出ていたという、2頭のスーパーホースの激闘で幕を閉じることになりました。
スペシャルウィークは秋の古馬GI3連勝はならず、このレースを最後に引退することになります。
またグラスワンダーは翌年も競馬を続けましたが、3戦して勝利を挙げることはできず、最後のレースになった宝塚記念では骨折が判明し引退することになっていきます。
またこのレースを振り返ると今になって思いますが、
2頭の4cm差の激闘の影で、このスーパーホース2頭にクビ差まで迫っていたのが、あのテイエムオペラオー。
翌年の2000年。
テイエムオペラオーはGI5勝を含む重賞8連勝という金字塔を打ち立てることになります。
結果論になりますが、その結果を知った上でこの有馬記念を見てみると、3歳の時点でこの2頭のスーパーホースにクビ差まで迫っていたことは、
テイエムオペラオーのその後の活躍を暗示していたのかもしれません。