本日行われた有馬記念は、2番と好枠を引いたキタサンブラックが主導権を握ってG1・7勝目を挙げ、有終の美を飾ることになりました。
2着に入ったのは牝馬のクイーンズリング。
3着には3番人気のシュヴァルグラン、4着にはスワーヴリチャードが入り、馬券としてはやや波乱の結果となりました。
ここでは有馬記念のレースを振り返りたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
有馬記念レース回顧2017 キタサンブラックG1・7勝で有終の美を飾る
まずスタートについては天皇賞秋のことがありましたので、キタサンブラックが普通にゲートを出るのか?
その点も注目でしたが、ゲートが開くとキタサンブラックは普通にゲートを出て、いつも通りに先手を主張していきます。
また15番枠からカレンミロティックの川田騎手は手綱を動かして前に促していきますが、3~4番手の外目にポジションを取るとそこで待機。
他のジョッキーも特に序盤に仕掛けることなく、2番と好枠を引いたキタサンブラックが枠なりに主導権を握ってレースが進んで行きます。
その後は武豊騎手はややスローに落として、実況によれば1000m通過は61秒6。
ラップタイムは以下のようになっています。
6.8 – 11.6 – 11.9 – 12.2 – 12.3 – 13.3 – 13.2 – 12.8 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.2 – 12.3
上記のように残り1600mから1000mまでの600mでは、13秒台の中だるみのラップを刻んでいます。
個人的には事前の予想では、マークされる立場のキタサンブラックの武豊騎手も、あまり遅いペースにすれば後ろからプレッシャーをかけられる懸念があるように思えましたので、
単騎の逃げは濃厚でも、それほど遅いペースには持ち込まないのではないか?と思いましたが、
他の馬で逃げて競馬をするタイプの馬はいませんでしたし、アルゼンチン共和国杯では逃げ馬にプレッシャーをかけたカレンミロティックは15番枠と外目の枠を引いていました。
また前で競馬をする馬としても、キタサンをつついて自らにとって厳しい流れにすることは得策ではありませんし、
宝塚記念では外からキタサンをつつきに動いたサトノクラウンのムーア騎手は、早い段階で馬群の中に馬を誘導。
シュヴァルグランのボウマン騎手やスワーヴリチャードのデムーロ騎手も、外目の枠から枠なりに中団や後方からの競馬を選択。
どの馬もキタサンのペースに鈴をつけることはなく、スローなキタサンブラックの逃げで淡々とレースは進んでいきます
そしてラップタイムを再度掲載しますが、残り1000m地点から12秒台前半のラップを刻み始めていきます。
6.8 – 11.6 – 11.9 – 12.2 – 12.3 – 13.3 – 13.2 – 12.8 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.2 – 12.3
キタサンブラック・武豊騎手の作るレースは、ディープインパクトのような派手なレースぶりではありませんが、
早い時点でペースを上げながら持久力勝負に持ち込んで、他は息切れする中で自らは最後まで凌ぎ切るというレースぶりで、
息の長い持続力をその持ち味としています。
また道中であまりプレッシャーが掛からない中で、キタサンにこうしたレースをさせると強いことは春の天皇賞のスーパーレコードで証明済みで、
中山は最後の直線も短いですが、熾烈な2着争いを尻目にキタサンブラックは1馬身半先にゴールを先頭で駆け抜けることになります。
これで引退レースを花道で飾ることになりG1は7勝目。
獲得賞金もテイエムオペラオーを抜き歴代1位に躍り出ることになりました。
またここでキタサンブラックは引退することになり、その点には寂しさもありますが、種牡馬としての新たな門出を祝いたいと思います。
2着クイーンズリング
また2着に入ったのは牝馬で8番人気だったクイーンズリング。
スタート直後には4番枠のブレスジャーニーに接触しながらも、3番枠から道中は4~5番手にポジションを取り、
最内からは1頭分外をまわってはいましたが、ほとんどロスのない競馬で最後の直線へ。
直線に向いてからは若干外に斜行しましたが、馬体をぶつける場面がありながらもしぶとく脚を伸ばすと、首の上げ下げになった2着争いをハナ差だけ凌ぎ切ることに成功します。
また近走成績は良くありませんでしたが、昨年のエリザベス女王杯でも3番枠からコースロスなく競馬を進め、最後の直線でも馬群の間から抜けてくる競馬を見せていましたので、
個人的には内の3番枠を引いたことはプラス材料になるのでは?とは予想していましたが、
ただ3着のシュヴァルグランは最後の直線でも不利がありましたので、その不利がなければハナ差の接戦だけに2着と3着は入れ替わっても不思議ではありませんでした。
とはいえスタートでも最後の直線でも他の馬と接触する場面があってこの着順ですので、コースロスは少なかったにせよ、牝馬にしては勝負根性のある馬だとも思います。
またこの馬もこのレースで引退が決まっていますが、同じような勝負根性のある子供を産んでもらえたらと思います。
3着シュヴァルグラン
また3着に入ったのは、3番人気のシュヴァルグラン。
前走のジャパンカップは1番枠からコースロスのない競馬ができたことも勝因の一つだったようには思いましたが、
10番という枠順を見た時点で、キタサンブラックの2番枠に比較すると外目の枠を引いた印象はありましたし、
レースが若干スローで進んだこともあり、どこかで内に潜り込むということはできず、終始コーナーでは外をまわっての競馬になりました。
また最後の直線でも外からスワーヴリチャードが内に斜行したことで、内の9番サクラアンプルールや5番トーセンビクトリーと馬体をぶつける場面もあり、
この不利がなければクイーンズリングとの着差はハナ差だけに、2着争いを制することはできたと思います。
またレース後のコメントとしては、
「中山は東京よりもカーブが急なためコーナーがぎこちなかったです。そのため徐々に番手を上げて行く競馬を出来なかったことが痛かったです。」
「東京や京都のような、もっと大きなコースが合っていると思う」
とボウマン騎手はコメントしています。
これまでの成績でも東京コースでは2-0-1-0の成績に対し、中山では0-0-0-1(今回の有馬記念を除く)という成績ではありましたし、広いコースでの巻き返しに期待したいと思います。