本日行われたホープフルステークスは、1番人気のタイムフライヤーが大外から差し切り勝ちを収め、昇格したG1の初代チャンピオンに輝きました。
2着にはビリーブの子ジャンダルム、3着には新馬勝ちのステイフーリッシュが入るという結果になり、
また2番人気のルーカスは6着、3番人気のフラットレーは13着という結果になりました。
ここではホープフルステークスのレースを振り返りたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
ホープフルステークス・レース回顧2017 タイムフライヤー大外からの勝利
まずゲートが開くとはバラついたスタートになり、17番のナスノシンフォニーが外に逸走してのスタートになります。
また枠なりにハナを奪ったのは内の5番枠のトライン。
ただ2番手に9番サンリヴァル、その外に12番のジュンヴァルロが並ぶ形になり、
刻んだ1000mのタイムは59秒6。
ラップタイムは以下のようになります。
12.5 – 10.8 – 12.5 – 11.8 – 12.0 – 12.3 – 12.6 – 12.8 – 11.9 – 12.2
4ハロン~6ハロンが12秒台前後で若干速いラップを刻んでいますし、ジュンヴァルロは前向きな気性もあり今回は掛かったようで前で3頭が並ぶ形になり、
その後に中にいたサンリヴァルはポジションを下げていますが、トラインとジュンヴァルロが馬体を併せる形が続きます。
そしてトラインは競争中止になりましたが後方に下がっていくと、ジュンヴァルロが先頭に立つ形になりますが、
しかしサンリヴァルはポジションを替え、すぐ外の後ろにサンリヴァルがつける形になるという、前の3頭がもつれる展開になったことで流れが速くなり、そのために前で運んだ馬にとっては厳しい流れになっています。
そんな中、勝ち馬のタイムフライヤーは後方からの競馬を選択。
3コーナーすぎあたりで外からポジションを上げていくと、最後の直線でも手応え良く伸びて前を行くジャンダルムとの併せ馬の形になり、
最後は1馬身1/4の着差をつけて振り切ると、見事G1に昇格したホープフルステークスを制することになりました。
流れが速くなったこともこの馬には味方したと思いますし、中山の最後の直線の短さを考えるとやや後方よりのポジションのようには思え、一列後ろのようにも思えましたが、
結果的には流れを見越したポジション取りだったと言えるのかもしれません。
2着ジャンダルム
またビリーブの子ジャンダルムが、距離の不安を払しょくする走りを見せて2着に。
この馬も中団から競馬を進め、こちらも3コーナーあたりから徐々に外から進出していき、最後の直線に向くと先団を飲み込む勢いで手応え良く外から進出してきましたが、
さらに後ろから差してきたタイムフライヤーとの一騎打ちになり、最後は1馬身1/4だけ及ばない結果になりました。
ただ武豊騎手が「距離はまったく問題なくこなしてくれました。」とレース後にコメントしていたように、距離延長の課題としてはまずは2000mという壁はクリアしたと言えると思います。
今後は池江調教師が見据えているダービーに向けてどんなレース運びを進めていくか注目されます。
3着ステイフーリッシュ
また3着には新馬戦勝ちの8番人気のステイフーリッシュが入ることに。
この馬もポジションとしては後方で、前にジャンダルム、後ろにタイムフライヤーという位置取りで、
最後の直線では外からタイムフライヤーに交わされるものの、その後もしぶとく伸びてきて3着を確保しました。
この馬も流れが味方した面はあると思いますが、新馬勝ちも軽く仕掛けられた程度でコンマ4秒差をつけてはいて、ここでも力は充分に通用するところは見せたと思います。
ただまだ2戦で人気薄でもありましたし、厳しい言い方かもしれませんが時に新馬勝ちの馬が好走してもその後は凡走が続くケースはあるようには思いますので、今後のレースぶりにも引き続き注目したいと思います。
4着サンリヴァル
また同じ中山2000mでの勝利経験があったサンリヴァルが前からの競馬で4着に粘りました。
道中では2~3番手で競馬を進めて最後の直線でも内ラチ沿いで粘り込みを図りますが、外から伸びてきた3頭には及ばない結果となりました。
ただ前の3頭がもつれて前半が速い流れになったことから考えると4着という成績は負けて強しという印象を持ちますし、
道中でもジュンヴァルロに外から馬体を併せられながらも一旦はポジションを下げ、また逆に外からジュンヴァルロに馬体を併せに行くという自在性を見せています。
操縦性の高さや自在性を伺わせるレースだったと思いますし、今回は流れが不向きという印象はありましたし、
まだ若い2歳馬で今後はどの馬も成長していくと思いますが、流れによってはまだ逆転があっても驚けないレースぶりだったと思います。
6着ルーカス
また2番人気のルーカスは6着という結果に。
この馬も中団辺りから競馬を進めますが、上位馬に比べるとやや前よりのポジションで、良い形で最後の直線を迎えたように思えましたが、
外から伸びてくるジャンダルムに抵抗することはできず、また前を行くサンリヴァルを捕らえることはできず、流れが速かったこともあったかもしれませんが、後方から差してきた馬には屈する結果になりました。
またレース後には「レース序盤にハミを噛んでしまいペースも少し速かったです。」「まだまだ子供で中間にいろいろあったことも影響しました」とコメントしています。
「中間にいろいろあったこと」
その内容は分かりませんが、競走馬として完成するためには細かな様々な点で馬自身が競馬を分かってくる必要があるというのか、様々な点が噛みあってくる必要があることが伺われる非常に興味深いコメントのように感じます。
ただまだこれで3戦ですし、どの馬もまだ伸びしろは充分だと思いますので、兄のモーリスまでを期待するのは酷かもしれませんが、今後のレースぶりに期待したいと思います。
13着フラットレー
また3番人気のフラットレーは13着という結果に。
この馬も後方からの競馬でしたが流れが速かった割には伸びを欠く結果になりました。
「4コーナーから反応がありませんでした。馬がまだやわらかいですし、ハーツクライの子なのでこれから良くなります」とレース後にはルメール騎手はコメントしています。
前走が不良馬場での5着で、良馬場での巻き返しが期待されたところでしたが、
有馬記念では内から差してきたクイーンズリングが2着に残ったようにAコース使用が続いても依然として内が有利ではないか?と個人的にはそう考えていましたが、
結果から見ると流れもあったとは思いますが外差しが決まる馬場にはなっていたように思えましたし、その中で馬群の中で競馬をしたことも伸びを欠いた要因だったのかもしれません。
終わりに
個人的な馬券としては勝ったタイムフライヤーを本命にした馬連の流し馬券を買っていましたので的中させることはできましたが、馬連の配当としては1440円と堅めの結果になりました。
またレースの流れとしては平均ペースからややスローな流れを考えていましたが、前を行く3頭がもつれる展開になったことでやや速めの流れにもなり、
レースの流れはそのレースの逃げ・先行馬の兼ね合いなどで様々な変化を見せますので、展開予想の難しさを改めて思い知らされることになりました。
これで今年の中央競馬は見納めということになり、有馬記念が終わってもまだ中央競馬が続くというリズムにまだ個人的には慣れていない気もしますが、
ホープフルステークスがG1に格上げされたことで最優秀2歳牡馬のタイトルの行方も気になるところで、
勝ちっぷりから考えると朝日杯フューチュリティーSを勝ったダノンプレミアムではないか?と予想しながら、今回は終わらせていただきます。
この予想も当たると良いんですけどね。