競馬の脚質の調べ方や見方 脚質の種類や展開・流れとの関係は? | 穏健なる競馬のブログ

競馬の脚質の調べ方や見方 脚質の種類や展開・流れとの関係は?

競馬では競走馬の個性によって脚質に違いはありますし、流れによる有利不利もあります。

ここでは競馬新聞での脚質の見方や脚質の種類、またレース展開や流れとの関係に注目します。

またここで書く内容は競馬の必勝法ではなく、あくまで私自身の競馬の予想の方法であることを先にお断りしておきます。

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競馬新聞での脚質の見方・調べ方


(出典「Photock」)

まず競馬新聞にはコーナーでの通過順位が記載されていて、これを元にその馬の脚質を見ていくことになります。


(引用:2017年12月24日競馬ブック 有馬記念より)

私自身は競馬ブック派ですので、競馬ブックでご説明しますがで囲った部分がコーナーの通過順になり、

上記は珍しくキタサンブラックが出遅れたケースで、通常は通過順位は□で囲まれた数字で記載されますが、競馬ブックでは出遅れや不利があった場合には〇で囲まれることになります。

このコーナーの通過順位から馬の脚質を判断することになりますが、1レースだけではその馬の脚質とは言えませんし、

その馬の脚質を判断する場合には、競馬新聞の馬柱全体でその馬がどういう通過順位で競馬をしていたのか?その点を見ていく必要があります。

また同時に出走頭数にも注目する必要があり、例えば通過順位が5番目だとしても、

そのレースでの出走頭数が7頭などの少頭数の場合には、5番目の通過順位でも後方から競馬を進めていたことになります。

ですのでその馬の脚質を判断する場合には、競馬新聞に記載されている馬柱全体や、出走頭数にも注目して判断することが必要になります。

とはいえ競馬新聞でその馬の脚質を判断したとしても、いつも先行する馬でも出遅れると後方からの競馬になりますし、上記の例のようにキタサンブラックは秋の天皇賞では出遅れて後方からの競馬になっています。

また過去の例ではハーツクライがディープインパクトを破った2005年の有馬記念でも、いつもは後方からレースを進めるハーツクライをこの時のルメール騎手は先行に導いて勝利しています。

ちなみにこの時の有馬記念。

ハーツクライは後方からレースをするものだとばかり思い込んでいた私は、後ろからだと厳しいのでは?と思い、馬券の相手から外してしまったというホロ苦い思い出があります。

その意味では競馬新聞からその馬の脚質を考えても、いつも100%その通りになるとは限らない難しさはあります。

また若い2歳馬や3歳馬の場合にはまだ出走レースが少なく、どういったポジションで競馬をするのか事前に判断することが難しい場合もあります。


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競走馬の脚質の種類 逃げ

また競走馬にはそれぞれの気性や身体能力から、その馬の得意な脚質が決まっている場合があります。

まず「逃げ」についてですが、前に行きたがる気持ちが強いために逃げる場合もありますし、臆病なために逃げる場合もあれば、自分のペースで逃げてこそ良さが出るタイプの馬もいます。

キタサンブラックも逃げる場合がありましたが、キタサンブラックの場合には残り800m辺りで早めにペースを上げて他の馬に脚を使わせる消耗戦に持ち込みながらも、自らは残るようなタフなレースを展開していました。

ただキタサンブラックは菊花賞や2017年の秋の天皇賞のように差して競馬もできる馬で、こうした馬の場合には戦略として逃げているケースで、

「逃げ」の脚質の馬の中には、逃げてこそ良さが出るタイプや戦略として逃げるケースがあると言えます。

先行

次に逃げ馬の直後で競馬を進める「先行」という脚質は、ラストの瞬発力勝負では分が悪い馬が先行して粘り込みを図る場合もありますし、

ゲートの出も良く、レースセンスが良い馬が先行する場合もあります。

中にはエンジンをかけると止まらない馬もいますが、先行するには序盤に前のポジションを取りながらも途中で抑えが効くようなギアの上げ下げができる馬で、騎手の指示に素直に従う気性も必要になると思われます。

また逃げ馬をつついてレースのペースを速くすることもあるのが先行馬で、先行馬がレースの流れを作る場合もありますし、

基本的には逃げや先行など前で競馬をしていればそれだけ不利を受けにくくなりますし、先行する馬は後方から競馬をする馬に比べると馬群を捌(さば)くことが容易になります。

また先行のポジションとしては出走頭数にもよりますが、フルゲートの18頭の場合には逃げ馬以外のおよそ4~5番手辺りまでの馬が先行のポジションと言えます。

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差し

次は先行集団の直後で、中団や後方から競馬を進めるのが「差し」という脚質で、

瞬発力のある馬が取る戦法で、序盤は先行馬ほど行き脚がつかない馬やエンジンをかけると止まりにくいタイプの馬がこの戦法を取ることもあります。

ある程度は前を行く先行馬を追いかけながら先行馬を射程圏に入れつつレースを進め、後半に勝負を賭ける脚質と言えます。

ただ中団や後方からレースを進めるだけに、レースの流れに左右される場合もあれば、馬群の中から差してくる場合に馬群を捌(さば)くのに手間取ることもあり、

その際にエンジンをかけるのが遅くなって脚を余すこともあれば、前が詰まって追えずに脚を余してしまう場合もあります。

またコーナーで大外を回ると結果的にはコースロスが響いてしまう場合もあります。

追い込み

追い込み」は差しよりも後方の、ほぼ最後方に近い位置から競馬を進める脚質になり、

こちらも瞬発力に秀でた馬が取る脚質になりますし、逃げ馬と同じように臆病なタイプが最後方からレースを進めることもあれば、エンジンをかけると止まりにくい馬が追い込みのスタイルを取る場合があり、

序盤は馬のリズムを重視しつつ最後にギアを上げるスタイルが向いている馬の脚質と言えます。

ちなみにあのディープインパクトもエンジンをかけると止まりにくいタイプの馬だったようで、武豊騎手はディープインパクトについてNumberで以下のような発言をしています。

スイッチが入って、走るモードになると手に負えないところがあった馬なので、すごく気をつかいました。それで、いつもうしろから行っていたんですが、ディープとは一戦ごとにいい感じになってきたので、集大成という思いで乗りました。

(引用元:Number917・918 夢の有馬記念 P48)

ディープインパクトの場合は大外からマクる競馬でも結果を残せる名馬でしたが、追い込み馬も差し馬と同じように馬群を捌くのに手間取ったり、大外を回るとコースロスが響いてしまうことがあります。

自在

また先行しても差しても競馬で結果が残せるタイプは「自在」な脚質と言われます。

こうした馬の場合、レースの流れに応じてポジションを取りながらレースを進められますし、

後ろから差し届く瞬発力もあれば、先行して良い脚を長く使うこともできるタイプで、型に捉われず幅広い競馬に対応することができるタイプと言えます。

キタサンブラックは逃げても差しても結果を残していましたので、自在性のある馬と言えます。

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脚質とレースの展開や流れの関係


(出典「photoAC」)

また一般的にレースの流れがハイペースになれば、差し・追い込み馬に有利に、

レースの流れがスローペースになれば、逃げ・先行馬に有利になると言われます。

ただ強い馬の場合には、例えば強い先行馬の場合になりますが、速いペースで前のポジションで競馬を進めながらも、最後の直線でも伸びる競馬を見せますし、それは長く良い脚が使える証明でもあります。

過去にはサイレンススズカは、1998年の金鯱賞では大逃げでレコードを叩き出したこともありましたし、

キタサンブラックは2017年の春の天皇賞では、前で競馬をしながらもディープインパクトの従来のレコードをコンマ9秒も上回る3分12秒5という、スーパーでハイパーなレコードを叩き出したこともあります。

こうしたことは名馬だからこそできた芸当ですが、逃げ馬の場合はペースが多少速くなっても自分のリズムで走れると強いタイプの馬もいますし、差し馬の場合はペースが遅くなると前との距離が短くなって差し届くケースもあります。

多くの場合にはハイペース=差し・追い込み有利、スローペース=逃げ・先行有利の傾向はありますが、結果的にはそうしたパターンに当てはまらないケースも競馬にはあり、それは競馬の奥深さと言えるのかもしれません。

終わりに

馬の脚質はその馬の身体能力や気性、レースに行っての器用さやレースセンスも関係してきますし、

先行できる馬はゲートの出や気性面などからレースセンスが良いと思いますし、雑誌などを読んでも騎手など競馬関係者の発言からは、先行は勝ちやすい脚質と認識されているように思います。

とはいえ馬の個性もそれぞれで、ディープインパクトは後方から競馬を進めて大外からマクる競馬であれだけの結果を出しましたし、馬のリズムを重視して気持ち良く走らせることも騎手は考えているようにも思います。

また馬の脚質はある程度は事前に予想することはできても、実際のレースでは違ったポジションでレースを進めることはありますので、

馬のポジションは大まかに考えながら、力関係や枠順などをバランスよく考えた上で馬券の予想をしていただければと思います。

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