競馬ファンであれば春と秋のGIシーズンになると心が湧き立ってくると思いますが、私もその一人です。
競馬の予想は難しくそれだけに面白さもありますが、
競馬には多くの要素が含まれていて、それぞれが複雑に絡み合って競馬の結果として出てくるのだと思います。
そこでここでは「馬の調子」に焦点を当てていきます。
またこちらでは競馬で絶対に勝てる方法をお伝えしている訳ではありませんので、そのことを先にお断りしておきます。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
競馬の予想法 馬の調子を把握する
(出典「photoAC」)
競馬では力関係では少し分が悪い馬でも、そのレースの時に絶好調の状態であれば強い馬を負かしてしまうこともよくありますので、馬の調子も競馬の結果を左右する大きな要素になります。
ただ馬の調子をしっかり把握しようと思えば、調教欄を充分に見てパドックや返し馬にも注目することが必要になりますし、
その馬を他の馬と比較する「横の比較」ではなく、その馬の過去の状態と比較する「縦の比較」をする必要があります。
ですので馬の調子をしっかりと把握ことは大変難しく時間がかかることになりますので、たまにGIをやるだけという方の場合には、そこまでやることは難しいと思います。
また競馬には多くの要素がありそれらが複雑に絡み合った上で競馬の結果が出ると思いますので、馬の調子も競馬の一つの要素であって、これだけで全てが決まるわけではないと思います。
ただGIとその他のレースでは違いがあり、それぞれの特徴を把握することは一つのヒントにはなると思います。
競馬の予想法 馬の調子を把握する G1レースの場合
GIレースはいつも開催される下のクラスの平場のレースとは違い、決まった時期にしか開催されずまた賞金も高いですので、
基本的にはGIレースであればこの舞台に立つ多くの馬は、良い状態でこの日を迎えるはずで関係者に抜かりがあるとも思えません。
ただその中でも強い馬の場合には数あるGIレースがある中で、陣営が今後のGIレースをどう使っていこうとしているか。
それによって馬のピークの状態をどこに持って行こうとしているのか。
そうした面に注目することで「ここはメイチの仕上げだな」「ここはまだピークではないかも」と考えることはできると思います。
(例えばダービーの場合は後のことは考えず、ダービーの時点でピークの状態まで仕上げてきているはずです。)
ただ馬は生き物ですので、GIレースに出る馬でもどうしてもGIレースに間に合わない時や絶好調の状態にはならないこともあります。
そうしたことを判断する時に、厩舎関係者のコメントを参考にするのも一つの方法になります。
ただ調子が悪いと伝えられている馬が好勝負することがあるのも競馬の難しさです。
「馬は1日で変わる。」
確かそう武豊ジョッキーが語っているのを雑誌で読んだ記憶があります。
それだけに関係者がコメントした後でも馬の体調が良くなることもあり得るのかもしれませんし、その他の要素、例えばレースの流れや展開がその馬に向くなどの理由で調子が悪い馬が好勝負することもあるのかもしれません。
競馬の予想法 馬の調子を把握する G1レース以外の場合
(出典「photoAC」)
またGI以外の重賞レースでも、GIレースのステップレースや先にGIレースを控えた時期の重賞レースでは、すでに賞金的にも余裕のある馬であれば、本番を見据えた余裕を持たせた仕上げでそのレースに臨んでくることが分かります。
ただ賞金的に余裕のない馬であればその先のGIレースを狙って、このレースでメイチの仕上げをしてくることがあります。
GIを基軸にして各陣営がその馬を、今後どういうレースで使っていこうとしているのか。
その流れを考えると、その馬の状態の判断ができる場合は多いように思います。
逆に言えばGIにはあまり縁のない馬が多く走る重賞レースや下のクラスの平場のレースの方が、その馬がその後どのレースを使っていこうとしているのか。
その流れは捉えづらく、どこにピークを持って行こうとしているのかその把握は難しいように思います。
そうした場合にも関係者のコメントは参考になりますが、GIレースほど関係者のコメントが出てくるわけではありませんので、
(ネットでの競馬ニュースやスポーツ新聞などでも)
調教欄やパドックを見て、馬の調子を判断することは重要になると思います。
ただ調教欄やパドックで素人が馬の調子を判断することの難しさは、これまで充分に私自身も実感してきたつもりですので、
調教欄やパドックで馬の調子の判断をお伝えすることは控えたいと思いますし、馬の調子を把握するためには経験を積み重ねるしか方法はないとも思います。
私の場合は主に調教欄のコメントを参考にするようにしています。
(追記:その他にも競馬新聞に記載されている関係者のコメントや近走成績、また馬のローテーションで休み明けか、休み明け何戦目か?その馬は休み明けが得意か?などから馬の調子を推測することはあります。)
また馬の調子に波があるのは確かですが、ただ馬の調子が良かったとしても展開に恵まれなかったり、不利を受ければ力を発揮できないこともありますしその逆もあります。
そういう意味では馬の調子だけで競馬の結果が全て決まるわけではありませんし、複数の要素が絡み合った上で競馬の結果は決まると思いますので、馬の調子というバロメーターも競馬の要素の一つにすぎないと考えた方が良いのかもしれません。
終わりに
この他に、競馬の要素ごとに分けてそれぞれの要素ごとの予想方法について書いた記事の一覧ページはこちらになります。
ちなみに私も以前はパドックをよく見ていました。
馬の毛ヅヤや歩様の柔らかさ、馬体のバランスなどなど、細かな点を見ては勝てるポイントを探そうと私なりに必死でしたが、
パドックで把握する馬の調子も競馬の一つの要素にすぎないことが、その頃には分からなかったように思います。
ただパドックを見ていた若かりし頃、パドックを見ていたがゆえに現れた私の思い出の一頭がいます。
ある日の新馬戦のパドックを見ていた時のこと。
馬体のバランスも良く、歩様もしなやかな馬を見かけました。
「この馬はもしかして、かなり強いかもしれない。」
パドックを見て、心ひそかにそう思っていました。
その馬の名はキングカメハメハで、後に彼はダービーを勝つことになり、今では多くの馬のお父さんになっています。
キングカメハメハは私にとって新馬戦のパドックを見て、
「もしかしてこの馬は・・・」
心ひそかにそう思っていた馬が、ダービーを勝ったという今のところは最初で最後の馬になっています。